月別アーカイブ: 2022年5月

在宅勤務の環境(デスク周辺)

 早いものでコロナ禍により在宅勤務に移行して2年経った。少しずつ環境を整備していく中で、ささやかな幸福をもたらしてくれるものがいくつか出てきたのでまとめてみる。まずPC周り。

デスクマット(Pack&Smooch Moira, LightBrown)

 もっと早く買えばよかった…

 デスクマットには2つの効果がある。まず、マウスやキーボードなどの手元の機器をひとまとめにグループ化して動かせるというのがひとつ。たとえば食事をしたい、なにか書き物をしたい、と思ったときにキーボードやマウスをデスクの置くにズズッと押しやるわけだが、それぞれがバラバラに独立しているとこれが非常に面倒くさい。キーボードを奥にやって、マウスを奥にやって、リストレストを奥にやって… で、また用事が終わったらひとつずつ戻して、きれいに位置を調整して… みたいなことになる。わずらわしい。

 デスクマットにこれらの機器をまとめて載せておくことで、位置関係を変えずにひとまとめに前後に移動させることができる。配置場所がガタガタにならなず精神衛生上非常によい。

 次に、机の手触りが柔らかくなるという効果がある。机の表面もキーボードもマウスも基本的には無機的で固くフラットな平面なので、いつも手を置いたときに素手で工具を握っているような冷たさを感じていたのだが、ウール製のマットを置いたことで手触りが有機的になる。見た目にも卓上が引き締まる。あとは厚みのあるものを選べばタイピングしたときの衝撃を吸収してくれるので静音性・打鍵感の面でもよい。

 そこそこ厚みのあるウール製のマットならなんでもよかったのだが、ちょうど大きさがぴったりだったのでこの製品を買った。革のマウスパッド部分があり手触りもよい。ブラウンがアクセントになっていて見栄えも締まる。

マウス(MX Anywhere 3, MX1700GR)

 もっと早く買い換えればよかった…

 PC操作は原則としてキーボードで完結することを心がけており、Keysnail 亡き世界を Vimium に乗り換えることでブラウジングもキーボードで行っているためマウスの比重はそれほど高くなく、ずっと3,000円くらいのワイヤレスマウスを使っていたのだが、とはいえ完全にマウスを触らないというわけでもないし、すこし高級なものをひとつ買ってみようと思い Master3 買った。

 しかしファーストインプレッションの時点で以下の2つの問題を感じていた。

1. サイズが大きく手にフィットさせる位置調整に時間がかかる
2. やはりボタン押下すると横にポインタが微ズレする

 感じていたのだが、高い買い物だったことと、しばらく使っていれば手に馴染むだろうと考えてここから約2年使った… のだが、結局改善することはなく微妙なストレスがたまり続ける日々だった。

 これは個人的な相性の問題だと思うが、前述のとおり手をマウスに置きっぱなしにはせず、必要に応じて瞬間的にマウスを持つような使い方をするため、持ち替える際の位置調整のわずかな手間が問題になっていたように思う。

 一方で、勢いよく回すとラチェットモードからフリースピンにスムーズに切り替わるこのホイールについては手放せないほど手に馴染んだ。単純にブラウザの一番下や一番上に行きたいだけならそれこそキーボードショートカットで一発なのだが、ホイールを投げやりにええいと滑らせるとどこどこまでも滑り続ける挙動がささやかなフラストレーションの解消になっているのかもしれない。機能的な理由というよりは手遊びの延長のような気もするが、とにかく手放せないぐらい馴染んだ。

 という経緯を経て、まあ2年も使ったし、ここらでひとつ違うものを試してみてもバチはあたらんだろうと考え同様のフリースピン機能を持つ Anywhere3 に買い替えてみた。

 結果的に大正解だった。上記ツイートのとおり、自分が完全なツマミ持ち派であることを今回あらためて認識した。僕はマウスを動かすときに軽く横からつまんで上方向に持ち上げる力をかけていたのだ。だからマウスの重さ・大きさは譲れない要因だったようだ。

 フリースピンのホイールは Master3 の使い勝手のままで、充電も毎日フルに使って1週間以上持つので十分だ。やはり道具はサンクコストに縛られずに改善をすべきだということを再認識した一件だった。

マイクアーム(Blue Compass)

 もっと早く買い換えればよかった…

 Discord の通話用に昔買った安いマイクアーム(バネ丸出しの鉄の棒みたいなやつ)を長らく使っていたのだが、安定度が悪く不安だったのとあまりにも見栄えが悪いので買い替えた。

 さすがに値段がまったく違うので回転の滑らかさが別物で、小指一本で動かせるし触らなければしっかりと固定される。コードが柱内に収納されるのでごちゃつかなくてよい。動かし方をいちいち気にしたり、視界にケーブルがあってごちゃついていたりすると少しずつエネルギーが削られて疲れが蓄積するので、精神衛生上よかった。

 ただ、結果的に問題はなかったのだが、バネの力が強すぎるだか弱すぎるだかでマイクの重さによってはうまく固定できないという話が散見されたのでそこは購入時のリスクだった。個体差だか不具合だからしい。僕の買ったものは問題なくセットアップできた。

 ちなみにマイクは これ 。自分の声を売り物にする商売でもないので品質にはまったく問題もなくトラブルもない。本来は湿度やら保管やらを気にしないといけないと思うのだが、面倒なのでマイクアームに吊りっぱなしでその下で飯を食ったりしているという過酷な使い方をしているが今のところ不具合はない(そろそろ3年ぐらいは使っただろうか)

 ちなみに僕は声が低いため意識しないと広い会議室やら人がたくさんしゃべっている会議室では声が通らないのだが、リモート環境においてはこの問題をすべてマイクが解決してくれるので投資効果が非常に高いアイテムと言える。口元でダラダラっとしゃべっているだけでしっかりと会議のイニシアチブを取れる音圧を出せるので、このアドバンテージ維持のためにも在宅勤務が続いてほしいところ…

モニタアーム(HP シングルモニターアーム)

 買っておいてよかった…

 今見ると販売終了しているように見えるが、AmazonのOEMでもいいだろう。途中でサブモニタ用にも買い足して2本になった。1本のアームで2つのモニタを吊れるタイプの商品もあるが、僕は机の正面を開けたいので左右に1本ずつアームを立てた。これのおかげでキーボードの奥が開けられる。ということはキーボードを奥に押しやって手元で飯が食える。視界もすっきりして脳への負担も軽くなる。

 モニタアームの規格(VESAマウント)は標準化がしっかりしているので、途中でウルトラワイドモニタに変えたりしたが問題なく使いまわせている。汎用性が高い商品なので腐りにくくてよい。

 デスクの構造上、クランプで挟んで固定するための厚みがやや浅かったので、錐を買ってきて机に穴を開けて固定した。一点不満を言うとすれば、アーム内にケーブルを収納できるのだが、複数ケーブルを収納しようとするとやや厳しい。たとえば電源ケーブルとHDMIケーブルなら入るが、ゲーム機やら仕事用PCのケーブルやらをそこに足そうとすると入らない。まあ複数の画面を切り替えるという用途がやや特殊ではあるので仕方ない。

椅子(Herman Miller アーロンチェア)

 買っておいてよかった…

 およそ10年前、まだ在宅勤務なんてものが映画や小説の中の話だったころに、座っている時間の長い生活だし椅子に投資をした方がよかろうと考えて買った。2年前に在宅勤務になって当初の想定をはるかに上回るヘビーな使い方をすることになったわけだが、この劇的な生活の変化を受けても腰回りの故障が一切ない。もともと腰に不調がでがちなタイプだったのでこれは本当に買っておいてよかった。

 上記のツイートのとおり、もし妥協をしていたら(事実がどうであれ)もっといい椅子があるのではないか? という疑問が頭をよぎっていたのではないかと思うとハイエンド製品を買っておいてよかったと思う。なんだかんだで10年以上使ったわけだし、いまだにガタも来てないので十分減価償却できているだろう。

 あと改善があるとすれば机の高さをもう少し調整できるとベストなので、そのうち電動の昇降机が欲しいという気持ちがある。

 今後も間違いなく座りっぱなしの仕事なので継続的に向上していきたい。